経営陣から見る近代欧州サッカークラブの歴史 マンチェスターユナイテッド編 後編


さて、前編、中編、後編の三部作でお送りした経営陣から見る近代欧州サッカークラブの歴史、マンチェスターU編ですが、今回が最後の回。後編です。

↓前編

↓中編


さて、後編ではここ10年のユナイテッドの移籍について振り返ってみようと思います。

それでは、早速どうぞ!

11/12 2位


ファーガソン勇退の2年前の移籍。デヘア、ジョーンズ、と2022年まで残る選手を獲得する手腕はやっぱりさすが、ヤングも19/20シーズンにはキャプテンを務めるなど戦力として担いました。

獲得できなかった選手はスナイデル。ファン・ハール期にも獲得をチャレンジして、その時にはトルコで満足しているとのことで断られましたが、11年にも獲得を狙ったものの赤いシャツを袖に通すことはなかったようです。

12/13 優勝

(ポーウェルの移籍金が74M€となっているが事実は7.5M€)お詫びして訂正いたします

ファーガソン&ギルの勇退一年前の移籍。ファン・ペルシーと我らが香川真司が獲得。この獲得初年度のファンペルシーの得点能力は凄まじく、ユナイテッドにプレミアリーグの王者へと連れていった。

また、香川真司もノーリッジ戦でハットトリックを決めるなどぼちぼちの働きを見せた。

獲得できなかった選手はアザール。チェルシーとの一騎打ちだったようで、最後はアザールは高すぎる、と香川真司に獲得の矛先を変えたようでした。

13/14 7位


この年には面白い話がある。ユナイテッドの黄金期を左サイドバックで支えたエブラが、引退後にユナイテッド公式ポッドキャストで話したトピックだ。

ファーガソン監督は2013年夏、CR7とベイルを獲得しようとしたが、結局獲得はなくファーガソン監督は引退した、という話である。

エブラが引退した後の活動を広げるためのブラフだ、とこの話を論じる人もいるが、個人的には結構あり得る話だと思っていて、モイーズ監督就任時にロナウドとベイル、セスクといった豪華な面々を獲得できる、とウッドワードからモイーズに伝えられた、と報じられたことからも信憑性があると思っている

しかし、結局獲得できたのはモイーズの古巣からのフェライニのみ。しかも当時のレートで行けば割高の契約となった。そしてその後冬にファン・マタが加入。香川真司が押し出され形で次の夏でユナイテッドから離れることになった。

14/15 4位


モイーズ監督は一年で終わり、ファン・ハール監督に移った2014シーズンの夏。ユナイテッドは積極補強に打って出た。レアルマドリーからディ・マリア、セインツからルークショー、アスレッティックからエレーラ等を獲得した。

そして売却ではユナイテッド生え抜きのウェルベックを同リーグ内のアーセナルに売却。香川真司もドルトムントに出戻りした。

獲得できなかった選手はレヴァンドフスキとミュラーで、特にミュラーは取材時にファン・ハールから熱烈なオファーが来たことを明かしている。

15/16 5位


ファン・ハール2年目。ここで目立つのはやはりマルシャルとディマリア。マルシャルは獲得前年モナコでリーグ戦で9ゴールあげる活躍を見せユナイテッドへやってきた。ディマリアも一年でマンチェスターの水が合わずPSGへと移籍した。

またこの年、ファーガソン時代に活躍した選手、チャチャリート、ヴァンペルシー、ナニといった選手が退団。

得得できなかった選手ではセルヒオ・ラモスの名が。ユナイテッドへの報道が加熱したが結局はレアルマドリーと契約延長。いい交渉材料となってしまった形だ。

16/17 6位


モウリーニョ監督一年目。この年は積極補強が目立った。なんといっても目玉はポール・ポグバ。一度フリーで手放した選手を当時の史上最高値で獲得したことは一部で揶揄の対象となった。ただ、この年はEL優勝。モウリーニョのタイトル獲得力を示した。


17/18 2位


この年も夏にルカク、マティッチ、リンデロフを獲得。夏の獲得選手は一定の結果を残したものの、冬にシティと獲得を争った、サンチェスが補強大失敗。プレミアリーグ2シーズンでわずか3ゴールしか上げられず、移籍金ゼロ(年棒ユナイテッド一部負担)でインテルへと去っていった。

18/19 6位


開幕はモウリーニョ、途中から暫定監督となったスールシャールがシーズンを終えたこの年のユナイテッド

この年の目玉はフレッジで、ファビーニョを取り逃がした後ということではあるが、シティとの争奪戦を制し獲得となった。一年目こそプレミアに適応できなかったが、キャリックのコーチングの効果もあり、戦力として一本立ちした。

19/20 3位


スールシャール監督になって初の夏の移籍市場では、主にイギリス国籍を移籍金を過大気味に集めた。マグワイアとワンビサカ、そして当時のウェールズ代表監督であるギグスから勧められたダニエルジェームズ。

そしてその冬市場ではスールシャール政権の最大のタレントであるブルーノフェルナンデスを獲得。監督と、一部で揶揄されるレベルで活躍した彼、彼の獲得はスールシャール政権のベスト補強であったことは間違い無いだろう

20/21シーズン 2位


この夏の移籍はサンチョが取れるかどうかに揺れに揺れた。結果としては取れず、アタランタからアマドディアロ、ウルグアイからペリストリを獲得しお茶を濁した。また、ブランドンウィリアムズがサブだった左サイドバックにポルトからアレックステレスを補強。実力者の獲得に、チームの層を格上げした。

また、ファンデベークの補強については、後々エピソードが溢れており、地元紙マンチェスターイブニング紙では、監督の要望した選手ではなくフロント主導で獲得された、とあった。その報の通り、獲得されてからは苦行をなめるような出場機会に終わり、エバートンにローンで放出となった。

21/22シーズン 6位

スールシャール政権の最後の夏は、超大型補強であった。昨年リーグ2位、EL準優勝と結果を残しており、この大型補強でいよいよタイトル獲得が目組まれたが、残念ながら内部崩壊。監督の首はとび、獲得されたCR7、サンチョ、ヴァランは共に批判の対象にもされてしまった。

とはいえ、三人ともスーパースタークラス。一人一人のプレーでは輝かしいものも少なくなかった。圧倒的な個があるのは当然。来シーズンに期待である。

また、CR7の獲得の余波でダニエルジェームズが放出。長いことチェックしていたリーズへ移籍していった。

まとめ

毎年毎年移籍市場で、大盤振る舞いをするものの、方針に一貫性はなく、監督の都度獲得するお陰で毎年方針にブレがあった。そういう意味ではスールシャール政権はイングランド系やそのポジションでベストの選手をとってきた、という意味ではファーガソン政権に似ている補強方針と感じた。

ここからはテンハーグ監督の元でユナイテッドは補強をしていくことになる。現時点で、アヤックスのティンバーやリサンドロマルティネス、アントニーの名前が上がるが、今全精力をかけているのはバルセロナ所属のフレンキーデヨングだろう。なんとも獲得に成功して欲しいものだ。

参考文献

https://www.transfermarkt.jp/manchester-united/alletransfers/verein/985

https://www.manutd.com/ja/news/detail/evra-reveals-sir-alex-was-99-per-cent-sure-of-signing-ronaldo-and-bale

https://qoly.jp/2019/05/17/13-signings-manchester-united-missed-out-on-kgn-1?part=1

https://qoly.jp/2018/08/13/6-players-manchester-united-failed-to-sign-2018-summer-iks-1?part=1

https://qoly.jp/2020/05/06/ep-patrice-evra-said-that-ronaldo-had-agreed-to-return-to-united-kgn-1

https://qoly.jp/2020/08/25/players-van-gaal-failed-to-sign-iks-1

https://football-tribe.com/japan/2019/10/12/138688/

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