頭痛に襲われながら見始めたグディソンパークでのエヴァートン対マンチェスターU戦でしたが、結果はさらに頭痛をひどくするものでした。
0-1の敗戦。失点シーンは運の要素も絡む部分も多少あったために、しょうがないものとして考えるとしても、当記事では四つの敗因を書いていきたいと思います
1 怪我人
2 個の力の不発
3 戦略のなさ
4 主役の不在
1.怪我人
2.個の力の不発
3.戦略のなさ
ユナイテッドの安易なクロス連打、なぜなのか逆に気になる。
— BANQ (@BANQUEBLEU) April 9, 2022
おそらく、右サイドでまともに動かず、かといって中央を崩す手立てもないから、と言うのが理由なのだと思いますが、それにしたって単調。
エバートンにとって守りやすすぎる、というかエバートン守備陣のチャームポイントを最大限に発揮できる状況になってしまいました。
最後の方にはポグバのミドル(わかる)マグワイアがミドル(わからない)と言う有様になり、敗戦。こじ開けることは遂に最後まで叶わなかったわけです。
スタートは良くも悪くも五分、両チームともビルドアップは不安定、というか監督から何かアイデアが与えられていないことがわかるプレーが随所に散見。ユナイテッドも攻勢を仕掛けペナルティエリアに到達したシーンもあったわけですが、先制点はエバートンに。
そこからは、パスミスを繰り返し、何の意味もなく押し込んだ後は、最終的には左からのクロスを打ちまくることになりました。
例えば先制点を与えてしまった後でも、シティならファイブレーンを使った有効な攻撃をし、リヴァプールなら強力スリートップとサイドバックからの精度の高いボールやセットプレーで打開したはずですが、ユナイテッドは個の力に頼るばかり。
他のやり方もあったはずです。コールマンとサンチョのマッチアップでスピード勝負を仕掛ける、だとか相手を引き込んだ後、疑似カウンターで戦ってみるの様な選択肢もあった様に思ってしまうわけですが、結果は……
4.主役の不在
ここは、二章の「個の力の不発」とやや相反する様に感じられるかもしれません。「個の力」がある選手が『主役』なんだ、と普通ならばなるからです
しかし、当章で語りたいのは誰が(1人)主役なのか、と言うことです
ユナイテッドは野球で4番型の選手で揃っているばっかりに、誰に時間を割いて気持ちよくプレーしてもらうか、の観点がかなり怪しい、と思ってしまっています。
CL3連覇時のレアルマドリーはCR7のためのチームであり、今大爆発を起こしているベンゼマは引き立て役。メッシがいた時のバルセロナも終盤はメッシの設計が話題の中心でした。
おそらく昨シーズンまでのユナイテッドは、B.フェルナンデスが中心だったでしょう。最後は個の力、という点では今季と同じですが、彼が攻撃面での責任を負い、守備の掛け方まで修正する様はまさに監督のようでした。FCブルーノと揶揄されるに相応しい存在感であったわけです。この主役の明確化こそELのタイトルに限りなく近づいた要因の一つと考えています。
しかし、その体制はCR7の到来によって崩れ去った様に思えます。プレースタイルの変化はここまで散々メディアでも騒がれており、プレミアリーグのスタッツでもユナイテッド加入の1シーズン半で26G,18A に対し今季は9G6A(✖️1.5でも13.5G,9A)。得点に絡むことは明らかに少なくなっています。
もちろん加入からの1シーズン半が化物じみていたことは間違いないのですが、今季の不調とも言えるプレースタイルの変化はCR7の到来による影響と考えるのも不自然ではないでしょう。
もっとも主役が完全にCR7に移ったなら、ある種の割り切ったチームとして形になっていたのかもしれません。しかし、試合を複数見ておられる方ならわかる通り、昨年までのチーム編成の中に監督や作戦面の変更はあれど、センタフォワードのカバーニのポジションがCR7に移っただけ、の様にも思えます。
だからこそニューカッスル戦やスパーズ戦、CLでのアーティティックなプレイの数々を見せた彼は立派だったのですが、そのために、”軸を定められないまま苦しみばかりが増していくシーズン”になってしまった様にも感じます。
レジェンド監督のスールシャールの首はとび、スールシャール政権を支えた輝かしい背番号9,10,11トリオは揃いも揃って厳しい状況に。背番号11はパートナー間で事件を起こし監獄へ、マルシャルは冬にレンタルで放出されてセビージャへ。ラッシュも退団が囁かれ、ベンチを温める。
他にも、暫定監督を務め二勝一分けでやり過ごした名コーチのキャリックは退団。チーム内不和も囁かれ、シティ、リヴァプールのダービーマッチではみるも無惨な惨敗……
また野球で例えますが、これは、4番バッターをそろえるものの主役の不在で勝てない堀内巨人の様であり、昨年日本一となったヤクルトの様な適材適所、そして主役が明確にいるチームではないことを示しているのではないでしょうか。
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