2021年11月31日。突如こんなリリースがソニーからなされました。
「マンチェスター・シティ・フットボール・クラブとオフィシャル・バーチャル・ファンエンゲージメント・パートナーシップを締結」
https://www.sony.com/ja/SonyInfo/News/Press/202111/21-055/
イギリスのサッカークラブのマンチェスターシティと日本を代表する企業ソニーという、全く関連性の知らないところから出てきたニュース。日本のシティサポーターを初めとし、ヨーロッパサッカーファンが騒然となったニュースだと思います。
この記事はこの契約の理由を考えていきます。
『エンゲージメント』とは?
まず、リリースで出てきた単語「ファンエンゲージメント」とはなんなのでしょうか?
Googleで「ファンエンゲージメント」と入力し、検索すると、主にスポーツクラブのアプリ制作を提案する企業がトップに出てきます。
またエンゲージメントの訳を見ると
婚約、誓約、約束、契約といった意味があり、人事で使う場合は従業員の自社に対する愛着心や愛社精神、思い入れなどを表す言葉として使われるのです。(カオナビ:人事用語集より)
と出てきます。
ここで、総合した私の解釈で言うと、スポーツチームにおいてはチームに対しての『思い入れ』や『愛着』を増やそうとの意味だと考えました(お詳しい方は意味を是非教えてください)
ではまた、リリース文に戻ると『バーチャル・ファンエンゲージメント・パートナーシップ』とはなんのことを示しているのでしょうか?
ここで海外メディアのマーケットインサイダーを参照してみましょう。
ここでの記事を意訳すると、どうやらマンチェスターシティの本拠地であるエティハドスタジアムをバーチャル空間に作り出しオンライン空間を通じたファン同士のコミュニケーションを図るようです。
つまり、今流行りのメタバース、とのことらしいです(ここも素人考えですので、ぜひお詳しい方にご指摘いただきたいです)
スタジアムのメタバース化?
そして、ソニーのリリースを読むとどうやら実際のスタジアム空間をVR上に作る、と言うようにも見えます。
現状、リアルのスタジアムが値上げを続ける中、スタジアムにきてもらうことによるファンエンゲージメント獲得のハードルが上がってきています。こういった状況の中で、VR空間でリアルと同じようなスタジアム体験を達成させ、その感情を思い起こすことができれば、これは革命的です。
そして、リアル以上の観戦体験(例えば、リアルよりピッチに近い映像をリアルタイムに見るとか)をもたらすことができるかもしれません。
ウォルト・ディズニーはディズニーランドを設立した理由を「映像では人の記憶に深く残りづらいが、実体験では一生の思い出になる」とどこかの本で書いてあったと、記憶しています。
もし、スタジアム体験をヴァーチャル空間で達成することになれば、これは圧倒的改革だと思います。
ソニーである理由
さて、実際にスタジアムを再現するのにおいて、重要になってきそうなのがソニーのホークアイという技術。
現時点ではゴール判定やVARで使われる技術を提供する会社なのですが、野球ではデータ解析のシステムを提供しています。
また、ここでソニーとシティが提携した意味はホークアイだけではないのでは?と個人的には考えています。
今のVR業界でプラットフォームで有名なのはPCゲームのsteamやオキュラス(フェイスブック)ですが、日本人として欠かせないのはソニーのPlay Station VRだと思います。そして、メタバースという発想において欠かせないのはヴァーチャルリアリティでしょう。
スポーツの技術とVRの技術、その二つが併せて持っているのがソニーという会社なのです。
他にもある、ファンエンゲージメントの例
また、ファンエンゲージメント、という言葉はスポーツだけにとどまりません。
ここで例を挙げたいのは、ブシロードが保有している『バンドリ!』シリーズ。
バンドリ公式HPより引用
基本はスマホのリズムゲームアプリなのですが、そこで独自のキャラクターたちが、オリジナルの楽曲や既存の有名曲をカバーし演奏しています。
そして、キャラクターの声優さんが実際に演奏することで単なるゲームアプリの域を超え、西武ドームでライブを行い成功させています。
他にもアニメでメディアミックスを成立させるなど、ファンエンゲージメントを高める工夫をしています。
まとめ
無数のコンテンツがある世の中で、今はどのようにしてファンエンゲージメントを高めるのか、はエンタメにおいて重要さは増してきていると考えています。
また、今サッカー界で話題になっているスタジアムチケットの値上げについても、メタバースによるスタジアムが代替案としてスマートな解決策になるかもしれません。
ファイナンシャル面でも、クラブ収入の三本の柱であるスタジアム収益の拡大を成功させつつ、バーチャル面でも収入を得ることができるかもしれません。
これを始めるのをシティ、というのは色々思うところがあります。ソリアーノというスーパービジネスマンが失敗しても良いほどのでかい額があるクラブを操作している状況があるからこそ、と思ってしまいます
以上、話は蛇足しましたが、マンチェスター・シティとソニーのパートナーシップ契約についての考察でした。
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